VRサイクリング 富山周辺をぐるっと一巡りの巻。前回のゴール地点滑川のほたるいかミュージアム前を出発し海沿いを進む。程なく滑川宿、そして水橋宿、さらに岩瀬宿。ここで早くも街道を離れ、南へ進路を変えて運河沿いの道を進むと富山市街。富山駅から富山城址と市街地を縦断してその後南西に向かい、越中八尾の古い町並みを一巡り。さらに今度は東へ向かい立山・黒部ルートの拠点、立山駅をゴールとする74kmの行程。北陸街道2日目と称しつつ街道を走るのは最初の海沿いの道筋だけであるが、その間の滑川宿と岩瀬宿はどちらも超弩級の宿場町であった。つまり国の有形文化財レベルの伝統的商家や屋敷がふんだんに点在し歴史的な街道景観を見事に残す町だったのだ。この2つの宿場は10kmの距離でしかも間に水橋宿という別の宿場もあり、古い家並がほぼ途絶えない道筋。ここまで密に街道の家並みの風景を残す地帯はここまでほぼ日本中回ってきたが他になかった見たことがない。特に富山港に隣接する岩瀬宿は北前船で賑わった町で大きな廻船問屋の建物が今もその栄華を伝えている。街道歩きストとしては是非歩いてみたい道だ。富山市街は20年ほど前に出張中にレンタカーで走り回った記憶があり町の地理も馴染みがあった。八尾は編み笠を被った男女が、胡弓や三味線、越中おわら節の唄に合わせて夜通し町を練り歩く「おわら風の盆」の伝統行事で知られる。親父が好きで何度も見に行っていたので、行事の時期ではないが富山出張の際にちょっと立ち寄ってみたが、山懐に抱かれた古い町並みが情緒あって心惹かれるものがあった。今回はその魅力を再確認した次第。それにしても幻想的と言われる「風の盆」行ってみたいなあ。さてゴール地点の立山町。全く知らなかったが、北アルプスの立山は日本三霊山の1つとして古くから信仰の対象となっており、独特の世界観を有する立山信仰が人々の心を捉え立山詣でが盛んだったという。この立山町の芦峅寺集落には信仰の中心となる雄山神社の里宮もあり、詣で登山のベースキャンプとしてして多くの宿坊が軒を連ねていたという。今回はなかなか濃い旅であった。ニューヨークタイムズの2025年に行くべき52箇所の1つに富山が選出されたというが、それも納得。富山深し!