VRサイクリング 矢倉沢往還2日目。相模国から一気に裏箱根の足柄峠を越えて駿河国へ入るの巻。丹沢山麓の大きな町秦野を出発し、ほぼ小田急線に沿って渋沢、松田と進む。その先酒匂川を越えた後南足柄で名刹大雄山最乗寺の麓に立つ仁王門まで寄ってから西へ足柄峠への登りに入ってゆく。関所のあった矢倉沢を過ぎると道は険しくなり登り詰めて足柄峠。そこから目の前に大きな富士山を望みつつ下ると足柄、そして針路を次第に南に変えながら御殿場を過ぎて、右手に愛鷹山後方に富士山を望みつつ平野を進み、裾野付近から街道を外れて三島へ向かい、東海道沿道の三嶋大社をゴールとする67kmの行程。今回のハイライトは南足柄から足柄峠にかけての街道筋。酒匂川を越えたあたりから富士山を隠すように箱根の外輪山を形成する結構高い山々の連なりが前方を覆ってくる。この山中に分け入ってゆくルートになる。この辺今まで全く通ったこともなければ、そんな道筋があることも知らなかった。その地域がどのような風土、史跡があるかも知らなかった、という地域であるがなかなか渋いインパクトがあった。一つは一応ウチの宗派である曹洞宗で福井県の永平寺、鶴見の総持寺に次ぐ格式を有する名刹という大雄山最乗寺というお寺が、山の奥にあった。その仁王門まで行ってみたわけだが霊場としての荘厳さが見てとれた。そういう立派なお寺の存在すら知らなかった。二つ目は足柄山の金太郎。足柄山とは通過した足柄峠を含むこの辺の箱根外輪山を指すことも知ったが、金太郎は寓話ではなく実在の人物で、源氏の始祖とされる源頼光が足柄峠を通りかかった時にリクルートした怪童で頼光の四天王の一人となった坂田公時がモデルとされることを知った。そして峠道の山中に金太郎の生家跡や動物と戯れた金太郎の遊び石なる史跡が残されているのだ。そして現代では忘れ去られて私も存在すら知らなかったこの足柄峠の峠道を含む矢倉沢往還が実は古代から江戸時代に東海道が整備されるまで都と東国を結ぶメインルートであったらしいことは驚きだ。だから金太郎伝説は生まれたわけだし、最乗寺も建立されたのだろう。さて三島まで来たところでこれからはしばらく伊豆を周遊する旅に出る。
2024/12/16 矢倉沢往還 2日目 秦野〜松田〜南足柄〜矢倉沢〜御殿場〜三島
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