VRサイクリング 今度は群馬県南部を東から西への巻。街道は途中からになるが一応下仁田街道1日目。織物の町桐生は桐生駅前を出発し南西へ同じく絹織物で栄えた町伊勢崎を通り利根川を渡って、本庄から下仁田街道に入り、鏑川の広い谷に沿って西へ向かう。吉井宿を経て福島宿の付近で一旦街道から外れて3kmほど南の城下町小幡をぐるっと巡り再度街道へ戻る。ゴールは富岡宿と世界遺産富岡製糸場に至る65kmの行程。今回のルートは結果的に戦前、日本の近代化を支えた群馬県の蚕糸業、つまり養蚕、製糸、織物という一連の産業の足跡を辿る旅にもなった。桐生は桐生織、伊勢崎は伊勢崎銘仙という一世を風靡した絹織物産業、城下町小幡では大型養蚕農家による組織化された養蚕業、そして富岡では世界遺産富岡製糸場。現在でこそ地味な地域であるが、戦前、日本からの輸出額の半分が生糸、さらにその3分の1が群馬県産という時代を支えてきた地域であった。下仁田街道は藤岡から下仁田を経由して佐久へ通じる道筋で中山道の脇往還として賑わった街道で、別名姫街道とも称され、要は中山道の碓氷峠ほどの難所がなく女子供でも通り易い街道ということのようだ。今回走った藤岡から富岡までの街道筋は宿場に特段古い町並みが保存されているわけではなく史跡もそれほど多くはないのでそれほど面白い街道という感じではないが、街道からちょっと外れた城下町小幡は今まで知らなかったが中々の掘り出し物であった。江戸時代を通じて織田信長の直系の子孫の織田家が治めていた小幡藩の城下町であるが、立派な武家屋敷通りや町人の住む町屋地区などが区分されて残され、国の指定史跡となっている大名庭園楽山園など見どころ豊富。2万石の小さな藩ながら織田家の血筋のせいか、あるいは基幹産業であった養蚕で潤っていたせいか風格のある洗練された城下町の佇まいが見てとれた。それからやはりゴールとした世界遺産の富岡製糸場。他に何もない街道筋でひときわ輝く一大史跡。建物の中までは当然見ることはできないが、堂々たるレトロな外観だけでも一見の価値がある。今回の街道沿いの山に囲まれた田園風景なんか馴染みがあるな、と思ったら軽井沢などへ行く時によく利用する上信越自動車道の藤岡ジャンクションから富岡インターチェンジ間とほぼ被っているからなのだった。
2024/11/21 下仁田街道 1日目 桐生〜伊勢崎〜本荘〜藤岡宿〜吉井宿〜小幡〜富岡宿
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