VRサイクリング 羽州街道 5日目。秋田からJR奥羽本線に沿ったルートで南東へ進路を取ってまた内陸へ進む。秋田市街中心部旭川に沿った久保田宿をスタートし、国道13号とこれに絡む旧道を切り替えながら雄物川水系の谷に沿って豊島宿、和田宿、境宿、上淀川宿、刈和野宿、北楢岡宿、神宮寺宿、花館宿と進み、大館宿のある大館駅をゴールとする57kmの行程。今回も名所旧跡、絶景ポイントに乏しい地味なルートではあったが、昔ながらの旧街道らしい長閑な田園、里山、山間の風景と情緒にあふれた宿場町を楽しめた。和田宿には武家屋敷ぽい家並が見られ、調べてみると隣接する椿台という地に城が築かれて城下町を建設したことと関係がありそうだ。その椿台は戊辰戦争の中の秋田戦争で秋田藩の最終防衛ラインとして大攻防戦が繰り広げられた場所。ここでの勝利が戊辰戦争の転機となったようだ。秋田戦争というのは初めて知ったが、新政府側についた秋田藩が、周囲の奥羽越列藩同盟の諸藩から裏切り者として攻め込まれ領内至るところが戦場となり、結果的に秋田藩内の町村の4割が焼き払われたという教科書には書かれていない悲劇があった。最終的に勝利したものの失ったものは大きく新政府からの補償はほとんどなかったという。これだけの悲惨な過去がありながらここまでの秋田県内の道程では特に関連史跡は見当たらなかったし、調べてもほとんど残っていないようなのは不思議だ。記念館ぐらい建てても良さそうなものなのに。話は脱線したが、刈和野宿は防御のため道が鍵型になっていたりカーブしたりして蔵造りの商家や古い木造の家屋が点在して宿場らしい雰囲気を醸していた。神宮寺宿は現在は国道から外れた静かな旧道沿いにちょっとくたびれたような家並が残っているだけだが、雄物川の川舟の交通の要所でもあり賑わっていたらしい。今回の終点大曲宿の1つ手前花館宿は次の大曲宿と一体化して古い商家が散見される。特に良質な地下水に恵まれて、それを利用した造り酒屋や豆腐屋などが目立つ。名産品として豆腐カステラというスイーツが豆腐屋で売られているらしい。終点の大曲宿は日本三大花火大会の1つが開催される街として知られる。モダンな大曲駅の駅舎の前には大きな尺玉のオブジェが置かれていた。
2024/3/30 羽州街道 5日目 秋田〜和田宿〜刈和野宿〜神宮寺宿〜花館宿〜大曲宿
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