VRサイクリング。いよいよ北海道も最終ラウンド。明治初期に造成された札幌本道を辿って札幌から函館を目指す。今回はその1日目。札幌はすすきのを出発し、札幌本道の始点とされる北海道の日本橋的位置付けとなる創成橋から基本的には国道36号に沿って(あるいはJR千歳線に沿って)南東方面へ進路を定め、札幌郊外、さらになだらかな丘陵地帯を恵庭、千歳と進む。原野に展開する新千歳空港を突っ切って苫小牧へ到達。ここで進路を南西に変えて海岸沿いに進み白老のアイヌコタンのあるポロト湖をゴールとする94kmの行程。明治になって北海道開発を中央部へ広げるため札幌に開拓使の本庁舎を置くことになり、道南と札幌を繋ぐ幹線道路が必要となって明治5年から6年にかけての突貫工事で日本初の西洋式馬車道として建設されたのが札幌本道である。現在の国道36号にほぼ被っているが、札幌から千歳にかけては特に旧道が残っており、できる限りその旧道を忠実にトレースしてみた。札幌の創成橋を起点として1里ごとにいわゆる一里塚も整備されその痕跡も一部保存されている。駅逓と呼ばれる宿泊と運送の便を図る北海道特有の施設も札幌本道沿いに整備されたが、そのうち札幌から六里目にある旧島松駅逓所は保存再現され国指定史跡となっている。札幌本道はある意味レトロモダンな街道と言える。忠実にトレースと言いつつ旧道がなく国道がそのままルートになっている箇所では寄り道モードで道を外れ、新千歳空港へ寄ったりもした。苫小牧は駅近に王子製紙の工場の敷地が広がり、王子製紙グループの城下町化している都市であった。王子製紙がチームを有するアイスホッケーが盛んであり、市街の最大のホテルも王子製紙グループの経営。変わったところでは苫小牧の名産となっている日本最高峰のスモークサーモンを製造する王子サーモンという企業もある。最大級のアイヌコタンで有名な白老は観光化の弊害を乗り越えて、ポロト湖周辺にウポポイと称するアイヌ文化を復興創造発展させる拠点として展開しているようだ。単なる見せ物にするのではなくアイヌ人のアイヌのための文化継承と発展の試みということであろう。次回は室蘭へ向かう。
2024/3/4 札幌本道 1日目 札幌〜千歳〜苫小牧〜白老
リンク