VRサイクリング オホーツク沿岸から一旦内陸に入る。宗谷地方から上川地方へ抜ける道ということでとりあえず宗谷・上川コネクションというルート名をつけておく。宗谷地方オホーツク沿岸のカニの町枝幸をスタートして、西の内陸に向けてひた走る。歌登町を経て北海道の中心線に近い音威子府(おといねっぷ)村へ。そこからは南に進路を転じ、北海道第二の大河天塩川の形成する広い谷を遡って、美深町を経て道北の1つの中心都市名寄に到達する103kmの行程。日本海側でもそうだったが海岸ばかり走っているのも飽きるのでちょっと内陸に入って気分転換というところだ。小学生の頃、国鉄の駅名を覚えて稚内から鹿児島まで各駅停車で全て暗唱する、というトライアルをしたことがある。確か1回ぐらい成功したような気がするが、稚内から暗唱を始めると最初の方で出てくる「音威子府(おといねっぷ)」という駅名の音感にエキゾチックな響きを感じて勝手に秘境の駅のイメージを膨らませていたので、特に観光資源がない土地柄なのは承知の上、どんな雰囲気の町なのか駅なのか今回内陸へ入るついでに寄ってみた。音威子府駅のある音威子府村は、山に囲まれて原生林と原野が生茂る土地柄で、観光地になるほどの雄大な自然はないが名も無き秘境の雰囲気を湛えて結構妄想していたイメージに合致した。駅も裏に山が迫る秘境感のあるロケーションで、駅舎も古いままではないが山小屋風で悪くない。秘境の駅ではあるが昔は天北線が分岐する要衝の駅で特急も停車した。知らなかったが音威子府駅には日本一と呼び声高かった駅そばがあって、蕎麦の実を殻ごとひく独自の製法で、そばの風味やコシが強く、麺が真っ黒な蕎麦が人気で、特急の客が停車時間を利用して蕎麦をすすっていたりしていたらしい。また駅前には音威子府村在住であった国際的彫刻家砂澤ビッキが作った「おといねっぷタワー」と呼ばれるトーテムポールが立っていた。残念ながら駅そばもトーテムポールも今はないが妄想に値するエピソードを帯びた駅で、それらがなくなった今もなかなか魅力的であることを確認した。音威子府の話で終わったが次回はまたオホーツク沿岸に戻る。
2023/11/4 宗谷・上川コネクション 枝幸〜歌登〜音威子府〜美深〜名寄
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