VRサイクリング 道北から道東へ向けてのアプローチ。特に名の付いた街道はないのであるが、司馬遼太郎の名著「街道をゆく」シリーズでオホーツク海岸沿いの道の紀行を「オホーツク街道」というタイトルで出していたのでそれを頂いてオホーツク街道とし、今回はその1日目となる。日本最北端の地宗谷岬を出発し、またちょっと宗谷岬の上の丘陵に登ったりするがすぐ下り、オホーツク海沿岸に沿って南東へ向かう。前半は宗谷丘陵が海岸に迫る複雑な地形であったのが、後半、猿払村に入ってしばらくすると広大な猿払原野が広がり、それをほぼ突っ切った猿払村と浜頓別町の境の安別付近をゴールとする53kmの行程。今回中途半端な地点がゴールになったのは理由がある。当初は単調で引っかかりの少ないルートと予想して浜頓別を越えて枝幸まで一気に進む予定であったのだが、走ってみるとその中間点までで想定外にビューポイントや気になるスポットが多く、てんこ盛りになってしまったので急遽途中で2回分に分けることにしたのだ。猿払村は、主要道にシェルターを設けるほど冬季の地吹雪が激しい過酷な気候の僻地であるが、日本海側がかつてニシン漁で繁栄したように、ホタテ漁で日本有数の水揚げ量と同時に高品質を誇り、なんと村民の平均年収が800万円で日本第3位、ホタテ漁師は3000万円稼いだりするというリッチな村らしい。道理で立派な家が多いわけだ。一方で猿払原野は先日のサロベツ原野に劣らない広大さで、猿払村道エサヌカ線という海岸沿いの道を行くとどこまでも一直線の道の左手は水平線、右手と後方は地平線、前方にははるか彼方に山並みが見えるという究極の絶景が広がる。ここまででこの手の絶景は見飽きてきたと思っていたが、その上をいった感がある。