VRサイクリング。北海道の南西の端から日本海沿岸を北上する。北海道の日本海沿岸の道を「にしん街道」と名付けている団体があるので、その名称を拝借して今回は1日目。北海道唯一の城下町松前を出発し、海岸沿いを北へ向かってひた走る。いくつもの小さな漁村を通り過ぎ比較的開けた町上ノ国を過ぎてしばらく進み、にしん漁で栄えた江差に到達する67kmの行程。今回のルート上は、緑色のブッシュで彩られた海岸段丘がずっと続くが、左手に広大な日本海を眺めつつその段丘を登ったり下ったりしつつ進む絶景ルートであるが、それも延々と続くと飽きてくる。ひょっとしたら北海道の海岸はずっとこの同じパターンの繰り返しか。この間漁村は点在するが地形的に大きな良港が見当たらないなかで、今回のゴールに近い上ノ国と江差は地形的に湾となっていて良港の条件が整っている。幕末に幕府が誇る軍艦開陽丸が、戊辰戦争において、旧幕府軍の用心棒的戦力になっていたのだが、江差港で嵐をやり過ごしていて座礁し沈没の憂き目に遭った。敵の攻撃ではなく自ら座礁してしまったところが残念すぎる最期であったが、その開陽丸がそっくり再現されて開陽丸記念館として引き揚げられた3万点もの遺物を公開している。江差はかつてニシン漁で栄えたことで知られている。辺境の地にありながら江差の品揃えは江戸、大阪と変わらないと言われた繁栄の時代の名残りが、町に点在する鰊御殿と呼ばれる大きな木造建築物に顕れている。広い道に大振りの木造建築が建ち並ぶ開放的な街並みはユニークで、アクセス的には非常に遠い町であるがリアルに訪れてみたいと思った。
2023/9/19 にしん街道 1日目 松前〜上ノ国〜江差
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