VRサイクリング 奥州街道が完了したところでしばし街道の縛りを外れて自由なルートを描きながら青森県内を巡ってみる。題して津軽・十和田コネクション。今回はその1日目として津軽半島西部中部いいとこどりで巡る旅。龍飛岬をスタートし津軽半島北西部の山間のスカイラインから西部のコーストラインへと秘境の絶景を愛でつつ南下し、しじみの産地十三湖からは森林の道から岩木山を望む津軽平野の大平原の道へ。太宰治の生地金木の町にも寄って最後は津軽半島の根っこの町五所川原市街をゴールとする今回も長丁場74kmの行程。今回も距離はあるが変化に富んで飽きない楽しいルートであった。前半の津軽半島北西部は、鉄道も高速道路も通らない秘境地帯であるが、まさに秘境のイメージを地で行く絶景の連続。特に龍飛岬の南に広がる山地の最高地点に近い眺瞰台から望む半島の山々とその先端龍飛岬、そして半島を囲む海と海岸線、海の彼方の北海道の眺望が広がるスペクタクルは超絶景というしかない。その後の半島北西部の美しい海岸線を愛でるルートも秘境感溢れて良かった。十三湖は大学四年生の冬に訪れた印象が鮮明だ。キネマ旬報一位の名作映画「津軽じょんがら節」ロケ地の秘境イメージを求めて行ったのだが、まさにイメージ通り鉛色の空と荒れ狂う日本海と対比して静謐な十三湖。朽ち果てた十三橋という木造の長い橋。他に誰一人いない寂寥感。当時求めていた最高の秘境体験であった。今回VRにて再訪したのは夏であり、十三橋は撤去されて十三大橋というコンクリート製の現代的な橋となっていてイメージは変わってしまったが、それでも秘境であることは間違いない。後半で素晴らしかったのは津軽半島中部から南部にかけて広がる津軽平野の大田園地帯とその彼方に優美な稜線を描く岩木山の風景。それから最後の五所川原の駅前通りでストリートビューが五所川原版ねぶたの祭り当日の風景になったのはちょっとしたボーナスポイントであった。さて次は青森最大の観光地十和田湖を目指す。