VRサイクリング、奥州街道10日目。北上川の広い盆地を北上して盛岡に到達の巻。産業都市北上市街に位置する黒沢尻宿を後にして宮沢賢治のフィールド花巻宿へ。ここで賢治の世界を垣間見るのと噂の花巻東高校を冷やかすのでちょっと寄り道しつつ、広い盆地の田園地帯をさらに北上。南部杜氏のふるさと、石鳥谷宿、日詰郡山宿を経て仙台以来の大都会盛岡をぐるっと巡って盛岡駅をゴールとする60kmの行程。今回のハイライトは花巻。純文学には馴染みが薄い私も村上春樹と宮沢賢治は好きで、文学全集を揃えたのは宮沢賢治だけなのだ。その宮沢賢治が生涯を過ごした花巻は彼の童話や詩にも投影されていて憧れの地である。寄り道とは言え通り過ぎただけではあるが、少なくとも北上川の蕩々とした流れがあり、それがもたらす田園の広がりがあり、左右に山が近くにあるという風土は宮沢賢治の世界として感得できたと思う。それからMLBと高校野球で日々話題になる花巻東高校の周囲を巡ってみたが、私立ということもあるが旬の話題を提供する現場だけあって田舎にはびっくりするぐらい立派な高校であった。さて花巻から盛岡までは石鳥谷宿と日詰郡山宿の2つの宿場町はなかなかムードがあってよかったがちょっと端折って、盛岡は現代的な市街地の中で、街道沿いは見事に伝統的な建造物に溢れていて新旧のバランスの良い印象的な都市である。盛岡に転勤すると最初はこんな遠くまで来てしまったと言って泣き、年月が経ち離れる時には名残惜しくて再度泣くという魅力があるのがわかる気がする。私は若い頃に2回ほど訪れたことがあるがどこへ行ったのか具体的な記憶が失われている。またいずれ訪れたい。わんこそばはもう結構だが(笑)。