VRサイクリング 奥州街道5日目。いよいよ「みちのく」陸奥国(宮城県)に入るの巻。県庁所在地、福島市街ど真ん中栄町付近をスタートし、瀬上宿、桑折宿と阿武隈川流域の田園地帯を進み、阿武隈川から離れて山地へ入り軽い難所国見峠を越えると陸奥国(宮城県)。越河宿を抜け城下町白石宿からは阿武隈水系の白石川に沿ってゴール金ヶ瀬宿まで48kmの行程。磐城国(福島県)の中通りは内陸ではあるが阿武隈川の賜物で広い田園地帯の盆地であった。白河から福島の北まで丘陵地帯の多少のアップダウンはあったもののほぼ平らな道であった。そのまま阿武隈川と共に下れば峠越えなしに仙台に抜けられるはずであるが、街道は国見峠の国境を越えて白石川の流域に沿って仙台方面へ下る。幕府の奥州外様大名へ対する防衛措置としてわざわざ峠の国境を通すルートにしたのだろうか。明治になって奥州街道に沿って東北本線の鉄道を敷いたわけだが、後々急勾配を避けて輸送力を増強するために阿武隈川に沿ってバイパスするルートの計画が上がり国鉄丸森線として開通したが、タイミングが合わずバイパス機能を発揮する前に赤字化し、第三セクタの阿武隈急行として今に至っている。ある意味歴史的経緯のツケが回ってきていると言えるかも。白石という城下町も奥州街道が通ったから発展した町なのかもしれないが、江戸時代一藩一城が基本であったのが、仙台藩は例外的に仙台城(青葉城)と白石城の2つの城下町を持つことを許されていて、白石城は伊達政宗の名参謀片倉十郎一族に与えられた。現在はのどかな城下町であるが、幕末の戊辰戦争時には新政府軍に対抗した奥羽越列藩同盟会議が行われた抵抗勢力の中心地となった土地柄である。