VRサイクリング、奥州街道3日目。阿武隈川流域の磐城国(福島県)中通りをぐいぐい北上する。奥州外様大名防衛の要衝白河宿を出発し、ほぼ平らな盆地を北上し、矢吹宿、須賀川宿といった小さな城下町の宿場を経て商都、郡山宿に至る。さらに郡山市北部の福原宿まで43kmの行程。磐城国に入ると桜の咲く景観が目立ってきた。それも関東ではほぼソメイヨシノばかりなのが、少なくとも街道沿いではしだれ桜や山桜などの古来からの野生種がほとんどなのが印象的。有名な三春滝桜は街道から外れているが今回のルート上の郡山から10kmほど東に行ったところにある。こうした野生の桜の景観は単調になりがちな街道風景のアクセントとなり心和ませる。途中の町、須賀川は室町時代に稲村御所が置かれて奥州を管轄する中心地だったとか、戦国時代には名門二階堂氏の須賀川城が伊達政宗に攻められたとか、江戸時代には宿場町と阿武隈川の水運で栄えたとか、芭蕉が6日間滞在したとか歴史的に見るべきところの多い街と言えるが、訪れてみると古い街並みはほとんど見当たらず、最も印象的なのはウルトラマンと怪獣の生みの親、円谷英二の出身地というアピールである。街道沿いにはウルトラマン、ウルトラセブンやゴモラ、レッドキングなどの怪獣達のオブジェで溢れているし、円谷英二記念館もある。これはこれでなかなか面白い。