VRサイクリング 奥州街道2日目。長くさすらってきた関東地方を抜けていよいよ東北地方に突入の巻。高級牛肉でしか地名を聞いたことがなかった大田原宿をスタートし、源平合戦で名を上げた那須与一が兄弟に分け与えた下野国北部那須地域の東側を北上。鍋掛宿、越堀宿の2つの宿場が両河岸にある難所那珂川を越え、下野国最北の宿場芦野宿を経て国境を越えて磐城国(福島県)白河宿に至る41kmの行程。高校野球で昨年仙台育英が優勝して初めて「白河の関」を越えたという話があるが、その白河の関とは古代の道、東山道に存在した関所である。今回通った奥州街道の国境には二所の関址という史跡があるが、それは少なくとも江戸時代の関所の跡ではなく、東山道にあったいわゆる白河の関は奥州街道の4km東に存在することになっており、そちらは白河関の森公園などと称して観光地化されている。有名な白河の関が4km東にあるとしたのは江戸時代の白河藩主にして老中となった松平定信でそれが定説になったわけだが、どうもこちらの奥州街道の国境に東山道の白河の関があったとする説も昔から脈々と存在し、どうやら現在においても決着はついていないが、奥州街道の国境にあったとする説の方が有力らしい。二所関址という名称も関所が二箇所に存在した可能性を踏まえたものではないかという。ちなみに相撲部屋の名門、二所が関部屋はこの二所関になぜか由来しているらしい。白河の関の謎、なかなか興味深い話であった。