VRサイクリング、今回から五街道の最後の1つであり日本最長の街道、奥州街道を踏破しようと思う。厳密には奥州街道は日本橋が出発点であるが、宇都宮までは日光街道と共通なのでその先を往く。よって奥州街道1日目は宇都宮の日光街道との追分をスタート地点として、北北東に進み鬼怒川を越えて氏家宿まではJR東北本線にほぼ沿ってゆくが、その先は離れて日光連山から那須連山を望む緑濃い田園地帯を進む。温泉場としても知られる喜連川宿、佐久山宿を抜けて、最高級和牛の産地として知られる大田原宿に至る45kmの行程。宇都宮から13kmほど離れた鬼怒川を渡る地点に江戸時代から明治時代中期にかけて水陸交通の要地として繁栄して小江戸と呼ばれた「阿久津河岸」という港町があった。水運は陸運の1/25の運賃で済むため奥州広域の米を江戸に運ぶための一大拠点となっていたという。今は全く跡形もなく緑に覆われた幻の町なのだ。うーむ、こういうのが歴史の浪漫だなあ。また近くの氏家宿は、奥州街道以外に会津西街道、会津中海道、原街道などが集まる陸路のハブとなっており、阿久津河岸から積み出す物資の集積地として奥州各藩の蔵が建ち並び共に繁栄していたという。喜連川は1980年代に町おこしでボーリングしてみたら、あら不思議!日本三大美肌の湯と呼ばれるようになる良質な温泉が湧出したというラッキーな温泉地。ただ行ってみると温泉街のような旅館が建ち並ぶ風景はなく基本的に日帰り温泉施設で売っているようだが余り観光ビジネス的に成功している雰囲気はない。ちょっともったいない気がする。