VRサイクリング 薩摩街道6日目 実は海辺だけど山間の宿場のムードが漂う佐敷宿から、薩摩街道きっての難所三太郎峠の残り2つ佐敷太郎峠、赤松太郎峠の2つの峠を続け様に越え海岸沿いに出て、温泉宿街でもある日奈久宿を通り過ぎ、球磨川河口に広がる熊本県第二の都市八代市に位置する八代宿に至る36kmの行程。明治時代に至るまで上記三太郎峠の難所が災いして、八代から鹿児島へ抜ける交通は、球磨川伝いに内陸の人吉を通るルートに流れがちだったようである。鹿児島本線も当初は人吉経由だったそうだ。それが明治36年になって馬車で三太郎峠が越えられるようにトンネルを掘って薩摩街道に沿って国道を建設し、それを契機に水俣方面へ抜ける海ルートに人流も物流も移ってきたということらしい。昭和になると国道三号が別のバイパスルートになり、平成になるとさらに南九州自動車道が整備され、時代と共に幹線となるルートは変わってきた。本日のルートで佐敷太郎峠と赤松太郎峠の2つの峠越えは上記明治時代に整備された道路を走ることになった。本来は江戸時代の薩摩街道を往きたいところであるが例によってストリートビューがないので仕方ない。その明治時代の国道もなかなか悪くない。峠のトンネルは文化財に指定されているだけあって中々古めかしいいい味を出しているし、徳富蘆花の紀行文で、馬車でトンネルを抜けると素晴らしい眺めが広がる旨が書かれているのだが、その通り、トンネルを抜けた峠の下り道は複雑な海岸線を望む絶景の道なのだ。日奈久宿は、旧街道の宿場の雰囲気も残しつつ、そぞろ歩きが楽しいような温泉場の旅館街の雰囲気もあり、ここまでの旧街道を往く旅の中でもユニークで雰囲気のある宿場であった。ゴールの八代は鹿児島以来の都会に久々に戻ってきたという感じ。ここまで来ると熊本も近い。
2021/7/19 薩摩街道6日目 佐敷宿〜日奈久宿〜八代宿
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