VRサイクリング 唐津街道7日目は若松宿から渡船で渡った戸畑からスタートし終点小倉常盤橋に到着、さらにそこから始まる中津街道の1日目として苅田宿まで23kmの行程。
スタート地点にそびえる若戸大橋には個人的に若干思い入れがある。切手を集め始めた小学校低学年の頃に発行されて手に入れた若戸大橋竣工記念切手が気に入り、それで多分親にねだったのか、父が竣工して間もない若戸大橋に連れて行ってくれた。その写真が珍しくキャビネ版に引き延ばされてアルバムに貼られたこともあり、ずっと記憶に鮮明に残っていた。当時は東洋一の吊り橋でそれがその後日本のあちこちに建設された長大橋時代の先駆けだった。多分子供の私にも初めて見る巨大建築物でインパクトがあったんだろうと想像する。そんな感慨を胸に若戸大橋を見上げつつ本日のサイクリングを開始した。
戸畑、小倉間はくすんだ下町風景の中を走る。小倉はちょうど2ヶ月前に長崎街道へ向けて出発した地であるが、その出発点である常盤橋にまたたどり着いた。常盤橋は九州の日本橋、つまりハブとして機能した場所で門司往還、長崎街道、中津街道、秋月街道の始点・終点であった。今回はここから中津街道へ進むことにした。JRで言うと日豊本線に沿って南東に進むことになる。これで北九州市にはVRサイクリングとしては戻ることはないと思うが、北九州の印象はとにかく街並みがレトロ。多分一番賑わっていたのは八幡製鉄所が東洋一だった昭和五十年ごろまでだと想像するが、その後工業都市として衰退して行った結果、その昭和の頃の雰囲気がそのまま残ってしまった感がある。他の地方都市でも同様の傾向があるが、北九州は都市として大きく広がりがある分レトロさのスケールも大きい気がする。私が住んでいた福岡は一部を除くと懐かしさを感じられないほど変貌していたが北九州は我々世代から見ると全般に昭和から変わらない街並みが残っていて懐かしさを感じるのだ。
本日のゴールの苅田(かんだ)宿は、北九州市の郊外部で近年は日産・トヨタの工場が揃って自動車の町らしいが、街道筋は宿場の雰囲気は感じられないが至って長閑な街並み。