当初の目的地、長崎に到着したところで、次へ旅立つ前に長崎の名所を一巡り。出島からスタートし、中華街→オランダ坂→大浦天主堂→グラバー園→亀山社中跡→興福寺→眼鏡橋→平和公園→稲佐山。一通り有名処は廻ってみた。今まで3回長崎を訪れたが、多分亀山社中と稲佐山を除けば毎回行ったという記憶がある。それぞれの場所にそれぞれの歴史が刻まれているが、一方で長崎は実は歴史の浅い町だ。500年前には山が迫った奥深い入江の寂しい村、ノルウェーのフィヨルドを想像させる。平戸を追われたポルトガル人が紆余曲折を経て、天然の良港長崎を見つけ、キリシタン大名の領主の許可を得てポルトガル人が跋扈し教会が建つ洋風の町になった。その後秀吉のキリシタン禁止令でポルトガル人は追い出され、その後江戸時代になると出島にオランダ人が来る。知られていないのはこの時代、中国人が一万人も移住していたこと。これによりオランダ以上に強く中国文化の影響を受けた。そして幕末、開港して諸外国の貿易商人が長崎の南斜面に欧風の邸を建てて住んだ。彼らは坂本龍馬など幕末の志士を援助し、薩長同盟の後ろ盾となって明治維新への影なる働きをしたという。そして明治以降は石炭産業と造船業の重工業の町として栄え、太平洋戦争で原爆投下されて廃虚となった不幸の歴史を背負って現代においては平和都市としてのイメージが強い。上記のルートでぐるっと回ると、このユニークな地形と共に波乱万丈の歴史が刻み込まれた痕跡が見えてくる。何度も訪れた町だが歴史を認識するとこの町の深みが感じられる。次にどのルートに進むかはまだ検討中。