VRサイクリング、長崎街道6日目。境原宿から鍋島藩の城下町、佐賀県の県庁所在地佐賀市街を横断し、牛津宿を経て、JR長崎本線と佐世保線の分岐点となる交通の要所、肥前山口駅がある小田宿まで23kmの行程。今日のルートの目玉は何と言っても城下町佐賀。全国の県庁所在地の中でも地味な印象しかなく、観光地として取り上げられたこともなかったと思うが、いやいやなかなかどうして渋いレトロな魅力満載な町なのだ。佐賀市街において長崎街道はJR佐賀駅と佐賀城の中心部を佐賀城を迂回するように東から西に抜けているが、その間5km、正に昔ながらの街道筋の雰囲気を保っているのだ。市街地だというのに高いビルは少なくほぼ2階建までの家並、コンビニは1軒も見当たらず、古い商家、古民家、神社仏閣が多い。地図で見るとよく分かるが水郷と言ってもいいぐらい、町中に江戸時代の始めに整備されたという水路が張り巡らされている。面白いのは街角に色々な姿の恵比寿様の石像がトータル800体も置かれていたりする。自転車でスッと走りすぎるのではなくいつかゆっくり散歩して回りたい町だ。もっと観光地としても脚光を浴びる価値はあると思ったが、むしろ観光地として整備されていない渋さが魅力の核心のような気もするのでそのままがいい。その佐賀市街の前後は前回述べたようにとにかく茫漠と広がる田園地帯であった。長崎に向かって次はどのような風景が展開されるのだろうか。