VRサイクリング 飛騨街道最終日。飛騨路から美濃路へ。延々と南へ続いた谷の回廊を走り切るの巻。名湯下呂温泉を擁する下呂宿を出発し、飛騨街道をさらに南へ、より深い峡谷へ分け入る。その険しい自然環境の中でも宿場らしい金山宿、美濃国に入って現代は白川町の中心となる河岐宿を通り、飛騨川でも最も険しい峡谷を成す飛水峡を通り抜けるとようやく広めの谷に出て長閑な田舎道を楽しみ、ラスト2マイルはほぼ直線状の古い家並みが残る旧道を進み、中山道の太田宿の街道終点をゴールとする74kmの行程。それにしても飛騨街道、古川、高山、下呂を除くと嫌というほど延々と狭い谷間の道が続き、実際の距離以上に長く感じられた。今回のルートも険しい山中をのたうち回るような蛇行を繰り返す飛騨川を、トンネルや橋でショートカットしないでできる限り旧道の川に沿った道を辿って行った。険しい谷はその昔集中豪雨による飛騨川バス転落事故という104名もの死亡者の出た日本バス事故史上最悪の悲劇を起こした。しかしこのような険しい旅路の合間に現れる宿場町がまたいいのだ。特に金山宿。街道沿いに密集した古い木造建築群。これだけでも宿場の情緒溢れる街並みと言えるが、ここが凄いのはこの街道の裏に「筋骨」と呼ばれる複雑にからみ合った狭い道が縦横に張り巡らされていて、この迷路を探検する「筋骨巡り」がここの観光の目玉ということなのだ。何か奥行きの知れない凄みのある街ではないか。さてようやく重苦しいとも言える谷間を脱して2022年10月以来の中山道太田宿へ辿り着いたところで次は大都会名古屋へ向かう。