VRサイクリング 渥美半島の先端伊良湖岬から根元豊橋まで田原街道を往くの巻。前回終点の知多半島先端の師崎からフェリーで渡った伊良湖岬港を出発し、基本的に一貫して田原街道を走る。平坦な田園地帯を進み昔の宿場の残り香が濃く残る福江を通りぬけ、宇津江付近で渥美半島ではレアな山道を少しだけ登り下りした後また延々と田園の中を走って城下町田原へ至る。その先も見渡す限りの田園地帯をひたすら走り都市部へ入るとゴールの豊橋。田原街道終点に近い豊橋公園の外縁部に位置する豊橋のランドマーク豊橋ハリストス正教会をゴールとする51kmの行程。出発点の伊良湖岬は25年程前両親、妹家族と共に我が家族の一族郎党で伊勢志摩旅行へ行った時に集合地点とした。鳥羽へ渡るフェリーを待つ間に灯台を通ってその先の椰子の実の童謡で知られる恋路浜まで散策して過ごした。娘もまだ幼児の頃で思い出深い場所である。白亜の灯台は美しかったが今回のVRでは遊歩道まで走れず残念ながらその姿を拝めなかった。渥美半島は昔通った時の印象と変わらず、とにかく平坦な田園地帯。陽光に満ちた暖かく明るい空気感が一貫して感じられる。田園地帯は米というよりもキャベツ畑、そして早春は菜の花畑が広がり、もう1つ特徴的なのは温暖な気候を利用したハウス栽培のガラス温室群が壮観なほど並ぶ風景。温室栽培品としては電照菊が有名だがトマトやメロン、みかんも特産のようだ。夜間、温室に灯を灯す電照菊は日本夜景遺産にも選出されている。知多半島が醸造や焼き物の職人文化及び漁港が多く展開する漁業の地域であるのに対し、渥美半島はとにかく農業王国なのだ。これは一番走っていて肌で感じた次第。それでも街道途中の宿場である福江と田原は古い街並みが残り江戸時代以来の伝統的な街道文化を感じさせる。それも江戸時代、関西や伊勢へのルートとしてひたすら東海道だけでなく、東海道からこの田原街道に入って伊良湖岬から伊勢へ海路を利用するというオプションがあって単なる田舎街道ではなく東海道の脇街道的な位置付けで賑わっていたこともあるかもしれない。予想よりなかなか興味深い道筋であった。