VRサイクリング 秋葉神社から古代からの塩の道、江戸時代の秋葉山詣での道を逆に辿り太平洋岸まで一気に到達の巻。山深い信仰の地、秋葉神社下社前をスタートし、少し東へ進んだ後春野街付近から南へ向かう。戦国夢街道と名付けられた丘の上の道を進み、さらに三倉川の谷に沿って三倉宿、その下流の太田川沿いの森宿を経て東海道の宿場であり現代では新幹線の駅もある掛川宿へ至る。掛川からは牧之原台地を南東へ進み太平洋に面した湊町である街道の終点、相良をゴールとする60kmの行程。今回走る秋葉道は前回の秋葉街道の延長で、古代から塩その他の物資の流通の道であり、江戸時代には東海道や海上から秋葉詣でをする人々の参道であった。東海道でもよく見かけた秋葉山常夜灯がこの街道沿いにも散見され、秋葉山詣でが盛んだった頃の名残を見せている。また森宿は見事に街道の宿場の雰囲気を今に残す街並みで、町屋造りの商家や蔵が延々と建ち並び、遠州の小京都と呼ばれるのは妥当と感じられた。終点とした相良は駿河湾沿いの小さな町であるが、相良湊は国内最大級の船を入れられることで、江戸から瀬戸内に到る海運の基地として繁栄した過去を持つ。江戸時代以前からも商業湊として位置付けられここに運び込まれた塩を、ここを起点とする塩の道で内陸へ運び、江戸時代にはさらに秋葉山詣でに海を渡ってきた人々がみここから秋葉道を通って行ったわけだ。秋葉道がここを始点・終点とするのに合点がいった。あと今回のルートで特筆すべき点はずっと日本有数の茶所を通る道筋だったこと。前半、森宿のある森町近辺は上級茶の産地として知られ、後半掛川から先は深蒸し茶で有名な掛川茶の工場や店が街道沿いに並び、終盤牧之原台地に展開する日本有数の茶産地牧之原茶の見渡す限りの茶畑を目の当たりにした。静岡が日本一の茶所とは認識していたが、その奥深さを垣間見た気がする。