VRサイクリング 大門街道から金沢街道と街道を継いで南アルプスの西側の山懐を南下する。高原のリゾート地白樺湖をスタートし、ちょうど湖畔を通る大門街道を走って一気に山を下り中央線が通る茅野で金沢街道に乗り継ぐ。いきなりの街道の難所杖突峠を一気に登りその先は山桜の咲くのどかな山里の道を進んで桜の里として名高い高遠に辿り着く。町を一巡りし桜で有名な高遠城址公園を抜けた高遠湖の辺りをゴールとする52kmの行程。前半の大門街道は古くから上田地域と諏訪地域を結ぶ幹線道路の1つとして利用されてきた。今回走ったのはその最高所大門峠に近い白樺湖から甲州街道の茅野宿までの部分であるが特に印象に残るものはなかった。後半、茅野から高遠までの金沢街道はなかなか街道らしいいいルートだった。金沢街道は近世では諏訪地域と伊那地域を結ぶ主要道として利用されていたが、実は古代から近畿と東国を結ぶ主要街道であった東山道の一部でもあったようだ。最初の杖突峠の登りはその名が示す通りリアルのサイクリングや徒歩はかなり難儀する急坂で昔から難所として知られていた。峠を越えた後の高遠までの道筋は長閑な山里に山桜が彩りを添え、集落は蔵や切妻造りの伝統的な木造家屋が多く見られる旧街道らしい長閑で美しいルート。ところどころに高遠石工が残した大きな庚申塚が見られるのも特徴的だ。しかしやはり今回のハイライトは高遠の町。ストリートビューは惜しげなくベストシーズンの桜の満開時期を見せてくれて嬉しい限り。特に桜の日本三大名所の1つと言われる高遠城址公園の桜は圧巻。それだけでなく城址公園の高台から望む市街にもあちこちで桜が点在する眺望も素晴らしい。昔から行ってみたい場所なのだが、遠いのとベストシーズンに合わせるのが難しくて叶わない憧れの場所。山のあなたの空遠く・・・高遠という地名にそんな行きたくても行けない理想郷のような響きを感じるのだ。